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映画「ソニータ」抑圧に声をあげようという魂のラップ(和訳)

映画「ソニータ」を見ました。
映画館で泣いたしすごく考えさせられました。






これは実話で、本人が主演してるドキュメンタリー映画。
ソニータはアフガン難民としてイランに住んでる。
アフガンには金目当てに娘を結婚させる伝統があり、ソニータも10歳と16歳のときに2回親に売られそうになった。

でも彼女はラッパーになりたいという夢がある。
そして彼女は自分や同じ国の女の子の苦しみをラップにして歌うのです。



アフガンやイランの女性は大変だけど日本は違うからよかった、みたいな映画の感想が多いようだけど。
私は違う感想です。
今日は最後にもそれについて書くので最後まで読んでね。

遠い国の話のようだけど、日本も前の世代までは、親が結婚相手を決めたりお見合いで1度しか会ったことがない相手と結婚することもありました。
バブル時代までは「女は25歳過ぎたらクリスマスケーキ」(賞味期限切れ)といわれてました。

それに社会の抑圧や親からのプレッシャーが強く閉塞感漂う日本に生きる私達。
彼女のラップをきいたら、男女関係なく胸をえぐられるような気持ちになるかもしれません。
特に女性差別がひどく、男女の平等ランキングで世界の下の方にいる日本に住む女性にとってはね。

私は映画を見てて、感じるものがあったけど彼女への同情ではなくて、歌詞が心にザクザク突き刺さりました。








映画に出てくる彼女のラップの曲がこれです。
歌詞を和訳しますね。

(原語は読めないので、英訳があったので英語から和訳します。
英訳は2種類あったので2種類の英訳を両方見ながら和訳しました。)








歌詞の和訳はこちらのブログに移動しました。
こちらをクリックしてください


http://diafeliz.jugem.jp/?eid=10



この曲は前半は自分の苦しみを歌い、後半はアフガン人の女友達に(アフガンの他の少女に)向けたメッセージだと思います。


ソニータは自分の心の苦しみをラップにして、それから自分のように苦しんでる女の子たちにメッセージを送った。



世界の中でも一番女性が虐げられてる国の少女がラップを歌うだって?
と驚く人が多いかもしれませんが。
アフガンでタリバンは女性の人権を侵害していたし、イランはアフガンよりは自由だけど女性が歌うのは法律で禁止です。


私は音楽好きだしラップもきいてきたけど、ここまで血を吐くような自分の苦しみや魂の叫びを表したラップはほとんどきいた事がないです。


言霊っていうけど、ラップや音楽のパワーってすごいなって感じました。

日本でラップやってる人にもぜひこの映画を見てもらいたいです。

音楽やってる人もそうでない人もね。





ソニータは実在の女の子なんで、日本のNHKにもソニータ出てたし、海外のメディアもソニータをインタビューしてるので、すでに彼女について知ってる方もいるかもしれません。

映画の予告でも映画のだいたいのストーリーを語ってる。
だからこのブログの記事は、多少ネタバレになるのをご了承ください。
(映画を今度見るからネタバレは嫌、という方はこの先読まないでください。)

ストーリーを知っても、映画の映像にインパクトあるし、彼女のラップの歌の部分に感動するけどね。



ソニータ・アリザデはアフガニスタンに家族と住んでいたけれど、タリバンに虐げられ、紛争や空爆やテロもひどくなって、アフガンから家族で逃げる。でもどうやら父親はタリバンに殺された模様。
お姉さんとイランで難民生活をし、母親や兄達はアフガンに残っている。
イランではパスポートもIDもビザもなく、不法滞在の苦しい難民生活。

イランの支援センターで心の傷のセラピーを受けているソニータ。
でも支援センターにいる彼女の女友達は、まだ中学生くらいなのに次々と親に結婚させられていく。
男性が払う結納金が高ければ、高齢者だろうが、妻子がいようが、お金目当てに親は娘を売って児童結婚させてしまう。
夫からDVを受けて顔にあざがある女の子もいる。

ある日ソニータのお母さんがアフガンからやってきて、お兄さんが結婚するのでその結納金を払うために、ソニータをアフガンに連れ戻して60歳の男に嫁がせる(9000ドルで売る)という。
ソニータは自分はラッパーになりたいから嫌だというのですが、お母さんはソニータをアフガンに無理やり連れて行こうとします。

結局映画の監督が彼女の歌うビデオをネットにUPくれたおかげで、声がかかり渡米できたのですが。
だから彼女はいまアメリカにいるんです。





アメリカにいまいるソニータはマスコミにも出演してますが、海外メディアによるソニータのインタビューのビデオを和訳しますね。



これはイギリスBBCによるインタビュー。










”ソニータの家族は今まで2回彼女に結婚させようとしました。
最初に彼女を結納金目当てで売ろうとしたとき、彼女はまだ10歳でした。次は16歳。
彼女はyou tubeにのせた歌のビデオのおかげで米に留学できて、強制的な児童結婚から逃げられましたが、他のアフガンの少女たちは逃げられません。
ソニータは(このビデオのインタビュー時)いま19歳です”


インタビュアー  ”自己紹介してください”



(※ 注:以下、インタビュアーの質問は” ” で、ソニータの答えはかぎかっこ「 」 で書きます)



ソニータ

「私はアフガニスタン人で、アフガン紛争から逃げてイランに難民になりました。
イランではIDもパスポートもなかった。
イランでの難民生活が大変だった。
自分の苦しい気持ちや辛い経験を他の人達とシェアしたくてラップをはじめた。
まわりの女友達はみんな15歳くらいで親に強制的に結婚させられた。
DVで顔にあざができてる子もいた。
まだ15歳なのに老女のようになってしまった子が多かった。
檻にいれられたような気持ち。

私は今まで親に強制結婚させられそうになったことが2回ある。
親に結婚にしろといわれたときに、自分の夢が消えた。

でも母親をうらんではない。
母は自分を愛してくれている。
母も自分の親に売られて12歳で嫁いだ。嫁いだときにまだ子供だったし、女性の権利が制限されてるあの土地で育ったから、母は女性の他の生き方を知らないのだ。
学問もしてないし、女性として他にどう生きればいいのかの可能性や選択肢すら知らないのだから。」




”アフガンでは今も少女が売られてるのでしょうか?”


「アフガンだけではなくて世界中で児童結婚や人身売買はある。
その土地の伝統だったり、貧困のために親に売られることもある。
でも児童結婚の被害者へのサポートがないのが実情。
私は世界で売られてる少女たちのために今日ここへ話にきた。」



” 母親から結婚しろといわれて、自分につけられれた結納金の金額を言われたときにどう思いましたか?”


「お母さんに結婚の値段をいわれたときに、怒りは感じなかった。
お母さんを愛してるし、私はアフガンの社会や伝統について考えてた。
悲しかった。
お母さんも児童結婚したからそれが女性として当然だと思ってて、私の内面にある考えは理解できない。
それにお母さんは家族の中で意見が弱く、他の家族は母親の思いを理解できないからお母さんはどうしたらいいかわからないんだと思う。」



”あのラップのミュージックビデオで、あざだらけの顔にメイクしたのはなぜでしょうか?”



「ビデオで顔にアザをつけたのは、イランにいるとき女友達が殴られて顔にあざをつくってたのを見て、それが児童結婚のリアリティだと思ったから。
リアルな児童結婚を表すために、友達のイメージをビデオで使った。
彼女を殴ったのは彼女の家族。家族が結婚を強制したが、彼女が勉強したいといったので家族に殴られたのだ」




” あなたの曲をきいて家族はアフガンの児童結婚の実態は変わると思ってますか?
そして家族は考え方が変わりましたか?”


「アフガンではテレビやラジオで私の曲が流れている。
それをきいた家族達は、私みたいな少女でもパワーを持っていて未来を変えることができるのだと理解したようだ。



”あなたがあの曲を歌ったことで、他の少女の児童結婚の状況はどう変わっていくでしょうか?”


「世界における児童結婚の実態を変えるためには、まず家族単位の考え方を変えていかなきゃいけないと思う。
親たち家族が、伝統やお金のために自分の娘にプレッシャーをかけるからである。
だからまず家族が子供の新しい可能性を考えられるように変えていかなきゃいけないと思う。

そして宗教のリーダーや地域コミュニティが、伝統や悪い旧習を変えていかなきゃいけない。
犠牲になって苦しんでいる少女が別の自分の可能性やビジョンを持てるようにサポートすべきだと思う。
政府や組織や団体が支援プログラムを作り、特に地域のローカル単位の支援が大事だ。
彼らはどう問題を解決すべきかを、まず自分たちで理解しなければならないと思う。
そういう教育や支援体制ができたら、そのあとで児童結婚を違法にするようにできるのではないかと思う。」



”あなたの歌は女友達に向けたものだけど、歌であなたの女友達は変わりましたか?”



「イランにいたときに女友達に話をしたけど、彼女たちは私のいうことには耳を貸さなかった。
もうあきらめてたから。
でも私がアメリカでいまやってる活動を見て、彼女たちの考え方も変わってきたようだ。
私の友達は強制結婚から逃げて、いま学校で学んでるし、自分の将来について考えるようになった。」



”あなたはイランからアメリカにきて奨学金を得て勉強している。
学校で勉強したのは初めてか?”


「はい、学校に行ったのは初めてのこと。
ずっと勉強したかったのだけど。
でも英語がしゃべれなかったので、アメリカにきた当初は大変だった。
でも、米にきて1年でこれだけ話せるようになった。」



” いつかはアフガニスタンに戻って、アフガニスタンの少女を支援したいか?”


「はい。
今はアメリカでもっといろいろ学びたい。
でもそのあとにアフガンに戻って、まず家族に会いたい。
そして自分が学んだことを生かして、自分の国の少女たちをヘルプするために働きたいと思っている。
アフガンの組織や支援団体とも協力しながら。」



”アフガニスタンでもラップを歌いたいですか?”


「もちろん。
アフガンに私のファンがいて、私がアフガンに来るのを待ってるのよ。
いつかアフガンでコンサートを開きたいと思ってる」




”アメリカに来てたった1年でこれだけ英語が話せるようになって、もう大学に進学できるレベルになったのはすばらしいと思います”


「はい、今の学校を卒業したら、ロースクールで法律の勉強をしたいです。できればハーバード大学で 笑。」








もうひとつのテレビニュース(4ニュース)でのインタビュー


(話してる内容は上のインタビューとだいたいかぶってるので多少省く。ソニータの回答のみ和訳)



「曲を歌うことは、自分の感情をシェアするにはいいと思う。
私はイランにいるときに、自分の感情を表現して他の人とシェアしたいと思い、ラップを学んだ。
それで自分の気持ちをラップにして歌うようになった。

アフガンの家族から2回児童結婚で売られそうになった。
兄弟が結婚するときの結納金を払うために、私を別の男に売ろうとした。
男のために女を売る、という。
でもこのようにラップをアメリカで歌うということで、少女でもパワーがあり将来を変えられる、ということを見せられた。
将来は弁護士になりたい。
弁護士になって女性の権利を守りたい。
そして世界中の少女のために闘っていきたい」









ソニータはタリバンに支配されたアフガンにいた。
しかもアフガンでは自国内でもテロがおき、アフガン紛争に。
そこから逃げてイランで難民になったソニータ。

この映画は、アフガンやイランがひどいのであって、アメリカがソニータを解放して自由にしてやったという描き方をしてるけど。
でもアフガンの紛争を拡大させ泥沼化させたのはアメリカなのに。
ブッシュ大統領の頃からアフガンに侵攻し空爆し、オバマも大統領就任直後にアフガン派兵を増強した。

ソニータはアフガン紛争の犠牲者でもある。
そこが映画を見てちょっとひかかったところ。
よくアメリカが映画でやりがちな、ファシスト国やイスラムや共産主義から、アメリカが救ってやった、america save the worldみたいな。




ソニータは世界の女性の中でも最悪のケースの一つだけど、ソニータがいうように児童結婚や人身売買は世界中でおきています。

ニュースにでてくるように、児童結婚や、貧困でお金のために子供を売ったり。



私自身の経験では。
カンボジアに行ったときによく物乞いや物売りの子供たちに囲まれたんだけど、遠くでじっと見てる鋭い視線の大人がいるのです。物売りの子達を監視している組織の人じゃないかと思いました。
買ったりお金を与えてもこの子達にはお金は行かないで、組織の収入源になってしまう。
だからお金を渡しちゃいけない、お金をやればさらに組織に売られる子供が増えるから、とカンボジア人のガイドさんからもいわれました。
私はお菓子を大量に持ってきてたので子供達にお菓子をあげました。



メキシコにいるときも、メキシコでは貧困層の一部の親が子供を20ドルで売るという話をききました。
ペルーでも同じ話をききました。

メキシコでは貧困層のスラムに行ったこともあるから、不衛生で感染症も多いし、教育がないから12歳位の女の子が妊娠してしまったり、それを悪いと思ってないので、メキシコ人の医療関係者は教育するのが大変と言ってました。


また、メキシコで友達とご飯を食べてるときに、10歳位の物乞いの子供がきました。私のメキシコ人の友達がその子に食べ物とコーラを注文してあげました。

メキシコやコロンビアの私の友達は物乞いする人にはお金じゃなくて食べ物や飲み物をあげてました。

貧困撲滅とか簡単にいうけど、意識や衛生観念を変えるだけでも結構大変。


私は南米の貧困層のエリアにいたこともあります。
コロンビアでは貧困層じゃなくて、女子大生に、お金やスマホを買うために援助交際したり、エスコートサービス(男性と食事などに同伴するサービス。お金を積めば売春もあり)をする子がいるという話を現地でききました。



けどそれは中南米や東南アジアだけのことでしょうか?


日本だって女子高生や女子中学生の援助交際は昔からある。
南米ではエスコートサービスのバイトやればお金かなり稼げるけど、日本では不況で風俗が売り上げが落ちてて風俗でも食べれない女性が多いそうです。


中南米は大半が恋愛結婚です。中高生からつきあって結婚したり、愛があるから夫婦になる。

日本はまだ見合い結婚する人もまだ多いでしょう。
昔みたいに親に勝手に決められるということはもうほぼないだろうけど、もう30になったからとか、早く孫の顔を見たいというプレッシャーで結婚する人もいるかと思います。
それに海外の日本社会研究では、日本の夫婦は経済的につながっている夫婦の割合が多い、といわれていました。


それにいまだに女の幸せは結婚だと思ってる人が日本は多い。
なぜまだ結婚しないの? 子供はまだなの? ときいてくる人が多いですよね。


夫からDVされてるけど、離婚したら世間体がよくないとか、シングルマザーになったら子供を抱えて食べていけないという理由で、離婚できずに暴力を我慢してる人もたくさんいる。
中南米はシングルマザーが多くて社会からの偏見もないけど、日本はシングルマザーは生活が大変な上に偏見も強い。

ソニータのビデオのように顔のあざをメイクで隠して、「結婚生活はうまくいってるわ」と言ってる人も結構いるのではないでしょうか。
特にこの不況で、児童虐待やDVが急増しているそうなので。

高齢の世代の人たちは、一度嫁したら二度と家の敷居をまたぐな、とか、知らない人でも添うてみよ、夫が浮気したら妻にも責任がある、という世代なので、夫に浮気されたり暴力ふるわれても耐えることしか知らなくて、それがDVだというのだということすら知らなかったという人が多いそうです。



ソニータは家畜の羊みたいと自分たちのことをいったけど、家畜を「社畜」にしてみましょう。
日本の会社員は社畜といわれてる。
もう昔の奴隷制度はなくなったけど、経済による経済奴隷は世界中にある。
日本は社畜化として、低賃金とサービス残業、過労死するまで働かされるし、パワハラにも耐える。
お金と引き換えにね。


女性はパワハラだけではなくてセクハラもある。
パワハラとセクハラに耐える。
仕事を失わないためにしょうがなく。
日本でセクハラを生涯に一度も受けたことがない社会人の女性っているんでしょうか?


レイプされても、レイプ被害者に落ち度があったとバッシングされてしまう日本。

女は黙っとけというのもまだ根強い。
しかもネットでは「女は下等な生物」と女性差別を公然という人もいる。

「レイプされても女は黙っとけ」とか「女は下等な生物」という日本の人たちと、タリバンによる女性の権利制限はそんなに違うんでしょうか?


そういう日本にいる私たちは、「私たちはソニータたちみたいな境遇じゃなくてよかった、私たちは自由だし」といえるんでしょうか?

と私は思っちゃったわけです。


日本だけじゃなくて、欧米でもセクハラの告発が相次いでいます。
トランプなど国のリーダーが公然とセクハラしたり、女性差別や人種差別発言するので、世界に差別やヘイトや分団が高まっている。
白人「男性」至上主義者がヘイトデモをしている。

だから日本だけじゃない。
アフガンだけでもない。



私たちは抑圧されてる。
社会やまわりから、押しつぶされそうになるほどのプレッシャーで。
君はこうでなければならない、
女は黙ってなければならない。

自殺や逃避はいけないといわれるけど、助けてくれる人が誰もいないならどうすればいいというのさ、


とソニータみたいに叫びたくなりませんか?



ソニータは、自分がラップを歌うことで、なにかが少し変わるかもしれない。
だから自分の気持ちを歌にして、みんなとシェアして、そして声をあげていく、とソニータはいってました。


私たちも抑圧に負けずに、声をあげていくべきじゃないでしょうか?



「ソニータ」を見てそう思いました。












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