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アンチエイジング時代の終焉 (多様性と自然を受け入れる美の価値観へ)

アメリカの女性誌 Allure が、「もう今後は ”アンチエイジング” という言葉を使わない」と宣言してニュースになっています。

日本の大新聞や各メディアでも報道されました。


そしてAllureの9月号では「アンチエイジングの終焉」という特集が組まれています。

エイジングとは、歳を重ねるここと。

なぜエイジングに ”アンチ” じゃなきゃいけないのか、
と問題提起して、美の価値観を変えようと呼びかけたのです。






(表紙はハリウッド女優のヘレン・ミレン)






<Allure誌によるアンチエンジングをやめる宣言>



Allureの編集長ミッシェル・リーによる「アンチエイジング」やめますというメッセージがこれ。


他でも和訳されてたけど一部だったので、私は全文を翻訳します。

(英語→日本語)


https://www.allure.com/story/allure-magazine-phasing-out-the-word-anti-aging/amp





This issue is the long-awaited, utterly necessary celebration of growing into your own skin — wrinkles and all. No one is suggesting giving up retinol. But changing the way we think about aging starts with changing the way we talk about aging.


今回私たちが提案するのは、長い間待ち望まれてきたトピックです。
年齢を重ねていくことを称賛するのが必要だという。
エイジング(歳をとること)をシワも含めてすべて受け入れようという話です。
別に今あるアンチエイジング(老化防止)の化粧品を捨てろということではないのです。

でも我々のようなメディアがエイジングへの考え方を変えれば、一般の方たちがエイジングについて語る内容も変わっていくでしょう。


With that in mind, and starting with this issue, we are making a resolution to stop using the term “anti-aging.” Whether we know it or not, we’re subtly reinforcing the message that aging is a condition we need to battle — think antianxiety meds, antivirus software, or antifungal spray.


ALLUREは、今後「アンチエイジング」という言葉を使うのはやめます。
今までずっとメディアは ”エイジングと戦わなきゃいけない” という価値観を強く与えてきました。
意識しようが無意識だろうが、そういうプレッシャーをみなさんに与えてきたことを反省しています。

不安なら抗不安剤(アンチ不安)、アンチウィルスのソフトウェア、防カビ剤(アンチカビ)みたいに、
エイジングは ”アンチ” すべきものとして提唱してきたことに対して。


If there’s one inevitability in life, it’s that we’re getting older. Every minute. Every second.

人生で老いを避けることはできない。
私たちは毎秒、毎分老いていってるのです。


We produced a video recently that featured 64-year-old gray-haired Jo Johnson, who made the poignant observation that aging should be appreciated because “some of us don’t get an opportunity to age.” Repeat after me: Growing older is a wonderful thing because it means that we get a chance, every day, to live a full, happy life.


私たちは最近Jo Johnsonのビデオをリリースしました。
Joは64歳の白髪ヘアの女性。

彼女が語ったことは、
”歳をとるということは喜ばしいことなのだ。
だって歳をとる機会を得られなかった人だっているのだから”といいました。

「私のいうことを繰り返して言ってみて。
歳を重ねることは成長すること。
歳をとることはすばらしいこと。
だってハッピーな人生を送ることができるチャンスが1日1日与えられるということでもあるんだから」


Language matters. When talking about a woman over, say, 40, people tend to add qualifiers: “She looks great...for her age” or “She’s beautiful...for an older woman.” Catch yourself next time and consider what would happen if you just said, “She looks great.”


言葉には言霊があります。
なにげにいう言葉でも大事なのです。
私たちが女性について語るとき、ついこういう条件をつけてしまいがち。

たとえば40歳の女性について話すとしたら、
「彼女は歳のわりには、いいよね」とか
「中年のわりには、きれいだよね」と言ってしまいませんか。

次回からは違う言い方をしてみませんか?

「彼女はきれいだね」
と。
そしたらどんなことがおきるか、あなたも考えてみてほしい。


Yes, Americans put youth on a pedestal. But let’s agree that appreciating the dewy rosiness of youth doesn’t mean we become suddenly hideous as years go by.

そう。アメリカ人は、若さを崇拝のシンボルだと思い込んで若さに執着してきました。
若い時はすばらしいが年月がたてば急に醜くなる、のではないのですよ。
考え方を変えてみませんか?


I’m not going to lie and say that everything about aging is great. We’re not the same at 18 as we are at 80.

私は老いることがすべてすばらしいことだけというような嘘は言わないですよ。
人間80歳になれば、18歳のときと同じように体が動くわけじゃないのだし。


But we need to stop looking at our life as a hill that we start rolling uncontrollably down past 35.

でも私たちは、人生は35歳を過ぎたらとたんに坂道を転がり落ちはじめる、と考えてしまう。
それはコントロールできないと。
でももうそういうふうに人生を見ることをやめなきゃいけないのです。


(And if it were, who determines the pinnacle? Is it our sexual prime? Is it the point at which most other people would consider us hot? Or is it utterly in our own heads?)

(もし頂上を極めた人がいたとしたら、それはセクシャルな面でも頂点なんでしょうか? 
自分が思ってる頂上が、人がみなあなたを一番セクシーと思うときなのですか? 
それはたんに自分の頭の中だけにある思い込みにすぎないのではないでしょうか?)


I hope we can all get to a point where we recognize that beauty is not something just for the young.

美は若い人だけのものだけじゃないということを、みんなが認識できるところまで社会が到達できるように願っています。


Look at our cover star Helen Mirren, who’s embodied sexiness for nearly four decades in Hollywood without desperately trying to deny her age.

9月号のallure誌の表紙を飾り、特集された女優のヘレン・ミレンを見てください。
彼女はいま72歳。
自分の年齢や老いをまったく否定することはなく、受けていれてきました。
そしてハリウッドのセクシーな女優でありつづけています。


I came across this quote from actress Samantha Bond that nails why we need more role models like Mirren: “Helen doesn’t appear to be frightened of aging and taking her sexuality with her. And it kind of gives her female audience the right to say, ‘Well, I can do that.’” And we can do that, too.


女優のサマンサ・ボンドは、ヘレン・ミレンみたいな人が映画界にもっと必要だと提起しました。

「ヘレンは老いていくことを恐れない。
年齢を重ねていってもセクシーでありつづけている。
そんな女優ヘレンの姿を見た観衆達が、
”そうだ、私にだってできる。私だって彼女のような生き方ができるんじゃないか” と気づくことができるのではないかと思うのです」


Major props to those who have already taken steps, and, to the rest of the beauty industry, we’re calling on you now: We know it’s not easy to change packaging and marketing overnight. But together we can start to change the conversation and celebrate the beauty in all ages.


そして私達ALLUREは、メディアや美容業界やファッション業界に対して変革を要求します。
今まで長い間あった美のコンセプトや演出方法、マーケティング手法を一晩で変えることは容易ではないでしょう。
でもメディアと業界が一緒に手をとれば、美の価値観や女性への見方を変革できると思うのです。
私達と一緒に、すべての年代における美を称賛しようではありませんか!」



:::

和訳は以上。






<メディアとファッションや美容業界への批判>



またこのALLUREの9月号の表紙には、


”  The end of ANTI-AGING

call to our industry "

とあります。


「アンチエイジングの終焉」

美容業界やファッション業界とメディアに(アンチエイジングの扇動をやめるよう)よびかける



このALLUREのメッセージは他のメディアやニュースでも和訳されてました。

しかし業界への批判と要求の部分がカットされてました。


スポンサーがついてる日本のメディアは、スポンサーに抵触することは書かないように忖度するので、もしかしたら故意にカットしたのかもしれません。

スポンサーでもあるファッションや美容業界だけではなく、雑誌などのメディアへの変革を唱えてるのでかなり強いメッセージだからです。

日本の雑誌なら、怖くてこんなの書けないと思う。
雑誌の編集部が書いても、広告部から差し止められるでしょう。
業界にかかわらず大スポンサーが自分たちに不利益な内容の記事は、出版社に圧力をかけて書かせない(または修正させる)こともあるからです。

ファッションや美容を扱った女性誌は、特に化粧品業界や美容業界やファッション業界とは強いリンクがあります。

たんに読者への意識の改善の呼びかけなら問題ないんです。

けど今回は業界全体に変革をよびかけてるので、かなり挑戦的で勇気あるメッセージだと思います。


このALLUREの宣言は、読者へ考えを変えようと提案したように日本では報道されてたけど、私は業界への批判と反省、そして変革の提案だととらえました。


ALLUREはメディアとして自分達がやってきたこと、そして他のメディアや美容業界とファッション業界に対する批判をし、メディアや業界がつくった美のイメージで一般人たちにプレッシャーをかけ続けるのはやめようと呼びかけたのだとおもいます。




(ちなみにこのallure 9月号はアマゾンで買えます)


Allure [US] September 2017 (単号)

Conde Nast Publications
売り上げランキング: 12,249




<Allure誌の転向>



私はアメリカや空港で「Allure」を買ったことがなんどかあります。
飛行機の中で気軽に読むにはおもしろい雑誌なんですよ。

Vogueとかみたいに最先端のファッション誌じゃなくて、「Allure」は、美容やファッションの具体的なハウツーが多い雑誌なんです。

毎号やってたおしゃれ改造は、ださい一般女性をメイクや服装をプロが変えておしゃれに変身させる企画。


いま私の家にとってあるallure誌は7年前の昔の号で。ジェニファー・ロペスの特集だったので保存してたんだけど。

内容を見てみると、


⚫️ 読者の減量企画

太ってる読者2人のダイエット企画。
短期でどれだけやせさせるか。
レオタード着た全身写真やサイズも出して。



⚫️ 「change is good」

女優3人をプロのメーキャップアーティストやスタイリストやフォトグラファーを使って、メイクやファッションを変えることとプロの写真でどれだけ美しくなれるか



⚫️ハリウッド女優や歌手などのセレブの今昔の比較写真。

昔はださかったけど、今はきれいになったセレブ
おしゃれになった成功例。
歳とったり太って劣化した例。
ヘアスタイルの変遷。
太って体のラインが崩れた女優



⚫️ 読者の一般人の変身企画

メガネですっぴんの女性を髪をカットしてメイクしてワンピースしてすっかり女性らしくきれいに変身。

ちりちり髪の黒人女性を、髪にストレートパーマかけてストレートヘアに。メイクも変えて美しく変身。

→ 美しく変身したことで、外見に自信が出てまわりからもほめられて、人生が前向きになったと話す女性たち。



⚫️ 絶対に短期でスリムになれる食事制限方法

激ヤセのファッションモデルを見せて、このように早く細くなろうと。
厳しい食事制限方法。
これで「very skinny」(超ガリガリ)にすぐなれる。


とまあ、そういう内容の雑誌だったんです。



欧米の雑誌って女性誌でもグラビアが中心で、あんまりそういうハウツー企画が少ないです。


日本の雑誌は「愛されるメイク」「好印象のおしゃれな春の服」「一週間の服装計画」とか具体的なハウツーが多いけど。


だけど「Allure」はダイエットしよう、髪を染めよう、今までの服はやめよう、女は美しく変わらなきゃいけない、今のままじゃだめ、みたいに けしかけてきた雑誌なんです。


だから、私が「まさか、あの雑誌がね〜」と 今回の編集方針の大転換に驚いたのがわかるでしょう。





<メディアとファッションや美容業界による、画一的な美のイメージのおしつけ>



ファッション界はスーパーモデルの時代は、あんな体型になりたいと世界の女性を思わせダイエットやフィットネスビデオブームをおこした。
その後はショーモデルは、どの服でも着られるように画一的なマネキンとして、やせすぎモデルばかり使ってきた。

モデルは事務所や業界から180cmなのに体重45kg以下にしろなどと強制されて、不妊になったり健康を害することも。
過去では海外のモデルがダイエットや拒食症で亡くなったり、モデルみたいになりたいという一般人の女の子が亡くなる事件があったので、ファッション界は批判され改善するように要求されてきました。
でも相変わらず。

今年のイブサンローランのポスターは、骨が浮き出るほど激やせのモデルが、露出した格好でエロチックなポーズをとるもの。女性への性暴力を助長するとか、女性侮辱や、やせすぎを煽ると大批判されてフランスの当局から変更を指導されて、世界でニュースになりました。


日本のアパレルメーカーは、バブル崩壊以降に標準の9号サイズを小さくしたらしい。
不景気なので布を節約したという話もあります。
日本ではサイズが1サイズや2 〜3サイズ展開しかない。
服が入らないと困るから、服に体型を合わせるしかない。

化粧品業界は、「今からやっておかないと歳とった時に差が出るよ」と高額のアンチエイジング化粧品を20代から売りつける。
日本では白い肌が美しいんだと白くなきゃと美白化粧品もすすめられる。
化粧品の販売カウンターに行くと、「あ、ここにシワが」「美白したほうがいいですよ」といわれるので、それが嫌でカウンターに行くのを嫌がる女性もなかにはいる。

美容院にいけば、明るく見えるように染めた方がいいよ、白髪があるから染めた方がいいよ、といいつつセールス攻撃。

雑誌は、美しくなろう、変わろう、みんなに愛されるメーク、若く見える服やシワ防止の化粧品などアンチエイジングも多いし、日本では雑誌の特集で一番売れるのがダイエット特集。


ファッションや美容業界や女性誌はこういうふうに、”画一的な美の押しつけ” をずっとやってきたわけです。



そういうのがみんなにプレッシャーを与えてきたんじゃないか。
もう変わろうよ、というのが今回の呼びかけとムーブメント。





<美の価値観の変化は世界的なムーブメント>



こういうことを書くと、

それってたんに海外のファッション業界での流行でしょ。
日本は日本だよ。
BBAや老害はやだ。
女は若い方がいいに決まってるだろ。
中年がモテるとかまたデマ書くな。
老化はみっともない。
きれいになる努力を笑うのか、おしゃれするなっていうのか。

などと反論する人がでてくるとおもいます。


別におしゃれをするな、化粧品を捨てろ、ずぼらでいいじゃん、とかそういう話じゃないのです。
おしゃれしたりきれいになるのはいい。

ヘレン・ミレンみたいに70代で赤い口紅つけたりね。

でも一方的で画一的なの美の価値観で、みんなが同じ格好をして、若作りをして、ほんとはやりたくないけどしょうがなくやってる、
っていうの、よく考えてたらおかしくない? 自分の個性や年齢を生かしたおしゃれをしていいんじゃない?
ってことなんです。



このごろの世界や日本でのニュースや議論を見てると、一過性の流行ではなくて、世界的に社会価値観が変わりつつあるように感じます。



ハリウッドや欧州の女優や有名シンガーなど有名人には、自分の写真がどれだけ雑誌などに出る時に修正されてるかをリアルな写真と並べてみせたり、自分のすっぴん写真を出してこれがリアルな私だと見せたり、自分は絶対にシワとり整形しないと宣言する女優も出ています。
ケイト・ウィンスレットやサルマ・ハエックやナオミ・ワッツのような有名女優達がそういうことを表明してかなり話題になりました。


先日私が、欧米のファッション界からグレーヘア革命(白髪ヘア)がおきて、欧米で白髪を染めないのが流行ってる、というブログ記事を書きましたよね。


→  「グレーヘア(白髪ヘア)が世界のファッション界のトレンドに 」



そこに出てきた白髪ヘアをしてるエディターがいるイギリスのVogueやフランスのELLEは世界最先端のファッション誌。
だから、あれは海外のファッション界でのトレンドなんだろう、という印象を与えるかもしれません。

フランスは、女優でも整形しない人が多いし。




<若さに固執してきたアメリカが世界に先がけて転換>



けど今回のAllureはアメリカの雑誌で、ハリウッドとかアメリカは若さにこだわり整形してでも若作りしようという傾向が強い国。


なのに、白髪ヘアの流行はアメリカから始まったんですよね。

Dove(ダヴ)というアメリカの会社(ボディソープ等のメーカー)は、女性達に「ありのままの自分の外見を愛そう」というキャンペーンを何年も前からしてました。


(以前書いた記事を読んでください。
この話も感動的。

→ (  「メディアにつくられた美人像ではなく、ありのままの自分を愛そう」 )


アメリカのランジェリーメーカーで、日本でも人気のヴィクトリアシークレット。
スーパーモデルにセクシーな下着や水着を着せてセクシーなカタログ作り、ショーのランウェイを歩かせる。
ヴィクトリアシークレットのモデルが着てる水着を、一般人が着たらどうなるかというアメリカでの写真比較の企画がネットでかなり話題になりましたね。
世界で有名なスーパーモデルばかりで180cm以上で細いし、しかも彼女たちが着てる服は各モデルに合わせて作った特別製で一般人向けのとは違うそうです。そしてもちろん撮影技術もすごいし、編集や修正も入ってる。



今回のAllureといい、あのアメリカの美の価値観がここまで変わったってことは、ほんとに変わったんだなと実感しました。



でもなぜアメリカからこのムーブメントがおきたのか。

アメリカは若さにこだわり、若く見せたいと若作りをする国。
政治家だってテレビに出るときは血色がよく見えるようにおじいさんでも頬紅をつけたりします。


アメリカでボトックスなどの美容整形が大流行したけど、そのあとに整形くずれの悲劇が多発してるし。



あ、もしかしてトランプの影響もあるかも。

アメリカは以前から差別が多い国だけど、表にはあまり出さないようにやってきたでしょう。
けどトランプは、セクハラしたり、ルックスがよくないと従業員を解雇したり、中年の女性アナウンサーにババア発言した。
トランプがフランスの大統領夫人に、スタイルいいですね、って言ったのも世界中から批判されました。

トップがそうだから、アメリカで堂々と差別を口にするレイシストやミソジニー(女性嫌悪、女性差別者)が増えてしまった。

先日シャーロッツビルで白人至上主義者のデモに反対したカウンターに車が突っ込み、女性がなくなりました。
あの白人至上主義者たちは、白人「男性」至上主義なんです。
だからデモが男ばっかりでしょ。
そのレイシストのミソジニーたちがトランプこそが自分たちの理想を実現してくれると支持してる。


白人至上主義者による被害者も出たので、それに対して大きな反発がおきています。

なぜ白人じゃないとダメなの、なぜ多様性がある社会ではだめなの? という反論が。

なぜ女を下に見るのか。
女性は男性が好む外見に作り変えなきゃいけないのか、なぜ女はアンチエイジングしなきゃいけないのか、なぜ若くないと女じゃないとか言われなきゃいけないのか、などと疑問を持つ女性が増えてきました。





<世界に広がるヘイトと、多様性のある社会への欲求>



今は世界中で憎悪やヘイトや分裂が高まってる。権力者が分裂をけしかけてる。

一方、それの反動で、多様性を大事にしようという声が世界で高まってる。


そういう時代だからこそ、美への価値観も多様であるべき、という声が高まったと思います。





そういう議論をこのごろよく見るんですよね。
アメリカだけじゃなくて、欧州でも中南米でも日本でも。




実は中南米各国でも女性による抗議デモが最近増えてるんです。
最近、夫や彼氏による女性へのDVや殺人事件が急増していて、社会問題になっています。

中南米はマチスモ(男尊女卑)が昔からあるのですが、それに反感を抱く女性が増えてるのは南米で強く感じました。

コロンビアのレゲトン歌手のmalumaが「cuatro babys」を歌ったら、女性差別の曲だと放送禁止になった背景にも、あの曲の歌詞が女性への偏見や暴力を助長するという社会からの批判があったからなんです。



けど今回の白髪革命やアンチエイジング批判の話は、宣言します、っておおがかりに発表したり、女性は偏見に負けずに生きるべきでは、と生き方を提案したり。
2010年代になっても先進国でも女性もまだまだ生きるのが大変だな、70年代みたいだなとも思うのですが。





<美に命をかける中南米でも女性のルックスの多様性を求める方向へ変化>



コロンビアは美のこだわりが非常に強い国。
中南米なのにダイエットする人が多い。
美容整形技術が世界でトップレベルで北米などからたくさん施術にやってきます。

でもこのごろ毎月のように美容整形で死者が出てニュースになっています。
先月は1都市で5人も死亡者が出て大騒ぎになりました。
日本でも死者が出たことがある脂肪吸引手術など体を変える手術中に死亡。中南米ではお尻を大きくする手術も人気です。

命を失う危険をおかしてまで外見を変えたり若返りしたいのかと、論議が出てますよ。

コロンビアに去年いたときに、コロンビア人達から「整形してまで外見を変える風潮には疑問がある」「整形くずれした知り合いを見てびっくりした」という声をかなりききました。

5年前にいたときとはかなり変わったと思いました。5年前は、体に気に入らないところがあったら整形すればいいという人が結構いたからです。



また去年のミスコロンビア(2017年のミスユニバースで3位)は黒人だったのですが、黒人ということで国内でかなりバッシング受けました。あまりきれいじゃない、黒人が多いチョコ県出身者のくせに、鼻が大きすぎる、写真によって白っぽく見えるよ黒人のくせに。。。などなど。
彼女は、ミスコロンビアになってからずっと外見のことで誹謗中傷を受けて傷ついてきたとインタビューで話して、コロンビアでも論議になりました。

今年のミスコロンビアは白人ですが、少女の頃に太っていていじめられたので、外見で差別するのはよくないと語ってました。

それに今月紹介した、コロンビアで開催された中南米中のブランドやアパレルメーカーが集結する巨大ファッションショーで、コロンビアのアパレルメーカーが、太っていたり低身長やいろんな肌の色の一般人女性をオーディションで選んでモデルとして出したんです。

女性の外見の多様性を訴えるメッセージを発して話題になりましたよね。

→  「ステレオタイプなモデル像ではなく、女性の多様性を訴えるファッションショー@コロンビア 」


外見命のコロンビアでさえ、そういう変化が出ているからね。

コロンビアは中南米の中でも美意識が高いし、ファッション業界もラテンアメリカでトップレベルです。


アメリカ、欧州、ラテンアメリカとくれば、これはやっぱ世界的な潮流だと思います。





<美の価値観の変化は世界的なムーブメント>



美しく年齢を重ねよう、歳をとっても輝いてる女優、などという特集は今までも一部のメディアでありました。

けど個人に意識の変革をよびかけても、そのときに記事を読んで「なるほど」と思うだけ。
実行できる人は少ないと思うんですよね。
やっぱ他人の目が気になるし、自分だけやってまわりがやってなかったら恥ずかしいと思っちゃうとか、流行に合わないとか。
特に日本では難しいと思う人が多いかも。




けれど今回のムーブメントは、世界のファッション業界や大手メディアが動いてるし、アメリカの大手女性誌が業界批判したでしょう。
しかも流行の話じゃなくて、意識改革や価値観の変換の話。
これは世界に大きな影響を与えると思います。

変わると思うよ。
だって、今までずーーーっと流行や美の価値観をつくってきた張本人達ですから。




それに今は欧米も日本も、ファッション業界や雑誌業界はやばい状況。
つぶれるアパレルやショッピングセンターや廃刊する雑誌は、アメリカや日本で増加してる。
だから今までのやりかたではもうダメと本人たちがわかってる。
流行をつくろうとがんばっても、昔みたいに一世風靡するわけじゃない。
今までの地位にあぐらをかいてたらダメになる。

日本の雑誌だって売れないから廃刊や休刊が相次いでるし、コストを度外視した豪華付録をつけてなんとか部数を維持しようとがんばってる雑誌が多い。
けどそれじゃいつまでもつか。。。


もっと読者や一般人の人たちの考えや思いを理解しないと売り上げが落ちる、支持されなくなる、捨てられると感じてるファッション業界やメディアは多いはず。
で、一般人の人達の書いてることや社会情勢をチェックしてたら、自分たちの功罪に気づいたんじゃない?

方向転換して、一般人達から支持される内容じゃないとファンは集まらないことがわかったんだと思います。


逆にいうと、みんなの共感をよべば売り上げは増えるし、固定ファンが増えると思います。

美や生き方への哲学とか。
企業の考え方も社会から問われていると思います。



たぶん、9月号のAllureは世界中で売り切れになると思うよ。


昔は、メディアやファッションやビューティ業界が上から消費者を煽って動かしてた。

でも今は既存のメディアを見る人は減り(テレビや雑誌や新聞など)、ネットなどで個人が発言する時代。
ネット上の一般人の意見が逆にメディアや業界に影響を与えるようになった時代です。

今回のファッション業界や雑誌の動きもそうした世の中の流れを受けてでてきたのかもしれません。







<日本での外見に対するプレッシャー>


若さにこだわる社会の中で大変なのは男性も同じですよね。


特に日本はすごい。

テレビをつければ、”このサプリを飲めば若返りする” ”この美容液をつければ10歳若く見える” と 若くなれ、若くなきゃだめ、というコマーシャルばかり。
電車内の広告もネットも、やせろ、むだ毛を脱毛しろ、若返りしろ、ハゲをかくせ。。。みたいな広告がずらり。
まるで脅迫されてるみたい。


FacebookやインスタなどのSNSで写真が大量にUPされるので、自分の写真映りが気になる。
きれいで若く見えた方がいい。
SNS映えのために、化粧品が売れたり、美容整形する人が増えたという話もあります。

日本では、写真を修正しまくって自撮りをSNSにUP、25年も続くダイエットブーム、整形。
30代以上の人には、おばさん、BBAとおとしめる。
年上には老害といっておとす。
テレビでも、外見でのバッシングがひどいよね。

まわりの人からどう見られてるか気にする人も非常に多いし。



でも流行って移り変わるでしょう。
50−60年代やバブル時代はグラマラスなボディが流行ってたけど、90年代後半以降はダイエット流行でスリム体型。
江戸時代は切れ長のつり目が流行ってたけど、今は二重で大きな目が美しいといわれる。

60年代は、シームつきの(ラインが後ろに入った)ストッキングが流行っていて、脚に筋(切り込み)をつけてラインつくった女性までいるという話をきいてびっくりしました。
その人はシームつきのストッキングの流行が終わったときにどうしたんだろう。

特に戦後から今までずっと西洋人のようなルックスが理想像になってきました。





<美のイメージからのプレッシャーで醜形恐怖症や拒食症まで>



流行って毎年変わるから、流行に合わせて自分の整形したり自分の体を変えていたら体がもたない。



インスタやFBで自撮りをたくさんUPしてる人には、醜形恐怖症になったり鬱になる傾向が高まってると海外での研究が発表されてました。

メディアの美のイメージに自分が合わないとか、まわりと比較して凹んでる人も多い。

細い体を保つために、先進国に住んでるのにいつも食べ物を制限して飢えてる状態。

なかには醜形恐怖症や摂食障害になる人もいる。


以前、「自分を美しいと思うか?」というアンケートをしたら、日本女性が世界で最下位だったそうです。


今までの社会からの洗脳がすごかったからね。
考え方を急に変えることができない。

自分に自信がもてなくなってしまう。
やばいと思ってもなかなかやめることができない。



社会や産業やメディアなどがつくりあげた美の価値観にふりまわされている。
そして自分にプレッシャーを与えて、自分をいじめつづけてる。

もうそういうのって疲れないですか?

なんでナチュラルじゃだめなの?





<年齢を重ねることは悪ではない>



どうしてそんなに歳を重ねることを恐れるんだろう。


人間には不可能なことがあります。


絶対に病まないこと
絶対に老いないこと
絶対に死なないこと


この世に生まれ落ちてから、毎日毎日、日々老いていってるわけだし、いつかは死ぬ身です。
それはもう自然なことだから、避けられない。
不老不死は無理。

それを動物はわかってるけど、人間はわかってない。





<社会価値観の変化のときがきた>



自分が生まれ持った外見は、世界に1つしかない。
それがあなたの個性。


もうそろそろありのままの自分を受け入れて、社会価値観にふりまわされて落ち込むことなく、自然のままに歳を重ねていき、人と比較せず、個性を大事にして、ハッピーに暮らしたほうがよくない?



だから、これはたんなる外見の流行の話じゃないのです。

意識改革と社会価値観の転換の話。


もうそろそろ、私たちを今まで束縛してきた社会価値観を変える時期にきたんじゃないか、と思います







関連過去記事(ブログ内):


「メディアにつくられた美人像ではなく、ありのままの自分を愛そう」


「ステレオタイプなモデル像ではなく、女性の多様性を訴えるファッションショー@コロンビア 」

「グレーヘア(白髪ヘア)が世界のファッション界のトレンドに 」

「ラティーナの体型 」

「男がほめるから女がきれいになる」


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おすすめCD紹介 ↓
下記に私のおすすめCDを紹介(iTunesも)。クラブでいつもかかる曲ばかり。ブログ内で書いてるので上記の検索欄で検索して試聴してね ↓ ↓ ↓

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エンリケ・イグレシアスの大ヒット曲「Bailando (バイランド)」(ft. Gente de Zona) が入ったアルバム
ルイス・エンリケのロマンチックサルサ
yo no se mañanaが流行ったルイス・エンリケの新しいアルバム。踊りやすいロマンチックサルサがいっぱい
Daddy Yankee ヒットアルバム
レゲトン J Balvin
ここ1-2年世界中で超ヒットしてるレゲトンがコロンビアのJ Balvin。音楽賞を総ナメにしました。
大ヒットのバチャータ
Phase II



バチャータの帝王
世界のバチャータブームをおこした2大バチャータキングは、Prince RoyceとこのRomeo Santos。Romeoは、バチャータの人気グループAventuraの元ボーカル。
El Cantanteの元歌はこっち
El Cantante
El Cantante

サルサのDIVA
Salsa Divas
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Celia Cruz とLa India
泣いちゃうサルサ
Fabricando Fantasias
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